湯荒神と吉備津彦命の湯封じ
どんな伝承か
北房町の湯神、松下旅館の下隣にあたる国道から登った山中に木造の社がある。これが湯荒神である。湯荒神は真賀へ帰りたいから真賀までむしろを敷きつめてくれといったが、敷かなかったという。湯神の湯は真賀へ預けてあり、新しいござを真賀から湯神まで敷きつめれば湯が戻ってくるといわれる。吉備津彦命は賊討伐のためたびたびこの地に来られ、湯神の清らかな谷水に入られた。そこから「尊い水」の意が転じて湯荒神を祭るようになったという。命は深手を負っても治って悪事を働く賊を不思議に思い、山を捜すと湯が湧いていたので、その湯を封じてついに賊を平定したと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北房町史 民俗編(現代(町史民俗編))
岡山県北房町の伝説。潮の満ち引きと連動して水が増える天神川、戦死者や口封じに殺された者を祀る七人みさき、盗まれた観音を刻んで往生した老人の身替り観音、京都の大火を消す八天狗、夜な夜な田を荒らす駒繋ぎの絵馬、賊を湯封じで平定した吉備津彦命の湯荒神、つちぐも退治と裏切りの神田池など、霊水・霊石・武士の霊・弘法大師伝説を豊富に収める町史民俗編。