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死衣の片袖と立山の責苦

所在地富山県中新川郡立山町(立山)
年代不明
登場薬師如来、三源太、お百、麓の町の米屋の主人・亡霊の娘の父、米屋の下女・無実の罪で牢に入り後に跡継ぎとなる
出典佐々木喜善全集 1

どんな伝承か

日本中の名山を巡ろうと志した六部が越中の立山に来た。麓の宿の主人は、ここ三年は夜の山が荒れて登れないと止めたが、六部は金を預けて登った。頂上近くの岩陰で休むうち山は大荒れになり、大釜をかぶった裸の大男たちが登っていって湯を煮立て、罪人三源太と呼ばれた振袖の娘を釜に投げ込んだ。娘は麓の町の米屋三源太の娘で、父の悪業の身代わりに責められていると明かし、証拠に片袖を切って託した。六部は三源太を探し当てて片袖を見せ、夫婦は改心して千人供養を始める。千人目の病んだ乞食の鼻の膿を吸うと、乞食は薬師如来と名乗って天に昇り、娘も菩薩に囲まれて天へ去った。以後、立山は荒れなくなったという。

原典より

それから六部は実はお前の娘は立山の頂上でこれこんな責苦に遭って居る。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))

『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。

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