生長の家に凝った柏木の娘の狂乱
どんな伝承か
二十三日の午後四時ごろ、髪をふり乱して裸足で駆ける二十五、六の女が愛宕署に保護された。淀橋区柏木に住む岩谷松蔵の次女で、保険会社員湯川正の妻多佳子と分かる。祖父は煙草商として鳴らした岩谷天狗こと松兵衛である。昭和三年に嫁いで二児をもうけ、仲は睦まじかったが、谷口雅春の生長の家に出入りするようになってから信仰に凝り固まり、夜まで家を空けるようになった。やがて女中と夫の仲を疑って重いヒステリーを患い、実家へ引き取られて療養する。復縁の話がまとまらぬまま、幼い二人の娘を恋しがるあまり家を飛び出し、浦和から芝公園あたりまで歩いてきたものだった。
原典より
* 守田勘弥の死にまつはる家庭悲劇(金×教)* 娘を自殺させた狂信者* 教団に渦巻く愛慾相(生×の家)* 伝染病とひ×のみち六、物質的損害を与へられたもの* 狂へる祈祷(天×教)* 持物を倍にしてくれる穴守様の正体* 天…—— 邪教に迷はされた人々(好村春基・浅野研真ほか編・新興宗教・邪教批判) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
邪教に迷はされた人々(好村春基・浅野研真ほか編・新興宗教・邪教批判)
『邪教に迷はされた人々』は、邪教撃滅聯盟の発意により浅野研真・島影盟・広木勇郎・好村春基が協同で編んだ本である。天理教・ひとのみち・生長の家・大本教などに迷って、病人が医者から遠ざけられて死んだ話、精神を病んだ話、行者に辱められた話、家や財産を失った話を、遺族や民生委員の手記、『大法輪』『婦人公論』昭和十一年の記事などから集め、八類に分けて並べる。後半に島影盟の邪教弾圧史と田所通世の取締法規の解説を付ける。