最後のニホンオオカミが捕られた鷲家
どんな伝承か
日本の狼が最後に確実に捕らえられたのは、明治三十八年一月、いまの奈良県吉野郡東吉野村鷲家、かつての小川村鷲家口でのことだった。この一頭は、折しも土地を訪れていたアメリカの動物採集家マルコム・アンダーソンと、同行の金井清らが、地元の猟師から八円五十銭で買い取り、剥製として残された。公式にはこの年をもって絶滅したことになる。もっとも、その後も目撃の便りは絶えず、生きていると信じる人はいまもいる。大正の初めに丹波の山中で独居した清水精一も、狼が膝に上ってきて戯れたと書き残している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・現代)