「円次さんのことは聞いています」
どんな伝承か
谷川に住んでいた猟師の円次は、谷川の奥に自ら仕掛けたオスの下敷きになって死んだ。必死で脱出しようとしたらしく地面が少し掘られ、手の爪が全部なくなって指が血だらけであったと伝えられる。現場はのちに「エンジガサワ」と呼ばれ、一種の地名になった。平成二十九年十月、著者は事件と円次のことをもう少し詳しく知りたくて谷川を訪ねた。村は温泉の湧く旅館や保養施設の集まる土地に変わっていたが、昭和五年に谷川で生まれた須藤文子に会えた。文子は「円次という人のことは聞いたことがあります」と語りはじめた。
原典より
第7章「猿は猟師に命乞いをする」は本当かいまでは害獣になりさがる山中でサルの群れと遭遇するサルをあがめる人びと猿神信仰の名残りサルの哀しみ第8章 野生動物雑記—— 村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・現代) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・現代)