岸で見捨てられ抱かれた救済者
どんな伝承か
岸に流れ着いた山本江里子は、呼び戻してくれた男性が少し離れた所にいるのを見て近づこうとしたが、足が動かない。肘と膝で這い、ようやくその人のもとへたどり着いた。体はぽかぽかと温かく、このまま死んでもいいと思うほど気分がよかったという。ところが男は倒れたままの彼女を冷たく見下ろし、歩けないのか、これから行く所があるからと言って足早に立ち去ってしまった。取り残された彼女は淋しさと恐ろしさと裏切られた思いが混じり、涙が出なくなるまで泣き続け、やがて意識が薄れていった。すると別の人が現れ、大丈夫か、こんなに冷えきって可哀そうに、ぼくがいるからもう大丈夫だと言って抱きしめてくれたのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
証言・臨死体験(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・平成)
立花隆『証言・臨死体験』を証言者(人物)単位で収録。安田伸・水上勉・邦光史郎・志賀信夫・前田忠明・佐野三治・向井承子・北林谷栄・永倉万治・彗星探索家木内鶴彦・元プロレスラー大仁田厚・羽仁進ら著名人や市井の人々が語る臨死体験(体外離脱・トンネル・光・お花畑・三途の川・死者との再会・人生回顧と蘇生)を、各証言の冒頭に【日付】【場所】【人物】【状況】マーカー付きで収録。臨死体験を脳科学と心霊の両面から検証した立花隆の証言集。