青梅の堂々めぐり
どんな伝承か
著者は子どもを連れて青梅へドライブに出かけ、遊びすぎて帰りが夜になり、道に迷ってしまった。平らな土地で似たような道が続くうえ、夜になると目印も消え、道を尋ねようにも家々は戸を閉めていたため、同じ誤りをくり返して何度も同じ四つ角へ戻ってきた。小一時間も同じところを回り続けたという。著者は、時間に遅れた焦り、疲れの極み、空腹が重なって方向を見失ったもので、夜道で狐や狸に化かされたという話と同じ仕組みだと説明している。
原典より
私自身も、子供連れで青梅にドライブにでかけ、遊びすぎて帰りが夜になり、道に迷って、小一時間も同じところをぐるぐる堂々めぐりしてしまったことがある。—— 怪談の科学――幻覚の心理を探る(中村希明・中村希明・精神医学) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の科学――幻覚の心理を探る(中村希明・中村希明・精神医学)
『怪談の科学――幻覚の心理を探る』は、中村希明が精神医学の立場から著した怪談の解説書である。新聞記事の幽霊騒ぎや体験談、民話の化かされ話、「浅茅ヶ宿」やハムレット、『四谷怪談』などの古今東西の怪談を取り上げ、その多くを高速道路催眠現象、感覚遮断、飢えや寒冷、睡眠や薬物による幻覚として説明する。生理的幻覚から精神変調時の幻覚までを四章で分析し、第五章「怪談の論理」で恐怖と幻覚の仕組みと日本の幽霊の特色を論じる。