信者に死をすすめた死のう団
どんな伝承か
今から八、九年ほど前、神奈川県川崎に日蓮宗の行者がいた。霊魂不滅を信じるこの行者は「死のう団」というものを作り、信者たちに熱心に死をすすめた。無知な信者たちはこれを固く信じ、宮城前や日比谷などあちこちで腹を切って死んでいった。男性だけでなく美しい女性や年老いた婦人までもが見事に自害し、警視庁も世間も驚いたという。教主と信者との間の暗示感受性の高まりを示す事例として紹介されている。
原典より
今から八、九年ほど前に、神奈川県の川崎という所に、日蓮宗の行者がおりました。—— 心霊の神秘(武久勇三・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊の神秘(武久勇三・1949年(昭和24年))
『心霊の神秘』は、武久勇三が一九四八年晩秋に序を書き、昭和二十四年に善隣出版社から千部限定で出した心霊現象の解説書である。近親の死に際して現れた幽霊や夢知らせなどの実例を、戦時中の出来事や知人から聞いた話、外国の研究記事から集め、頭脳の霊波による精神感応として説明を加える。話の人名はすべて仮名とことわる。後半の「第三篇 超心理学」では透視術・夢の原理・催眠術・読心術を説き、終わりに戦死の知らせの話と生命論を置く。