**神奈川県川崎市宮前区**
どんな伝承か
神奈川県川崎市宮前区での話。語り手が高校生の頃、オートバイ仲間と夜に走りに出ることをよくやっていた。十数年前の宮前平はちょっとした小山のような所で、右側に大きな壁が続いていた。夜中の一時過ぎ、十台ほどの仲間と真っ暗な中で信号待ちをしていると、何十人もの赤ん坊の泣き声が聞こえた。「ここは産婦人科の病院かね」と言うと友人は怪訝な顔をし、次の瞬間赤信号を無視して走り出した。宮前平の駅近くのレストランで問うと「あそこ、水子地蔵の寺だよ」と言われた。その声は語り手以外の誰にも聞こえていなかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。