皇太后の枕辺に立った坂本龍馬
どんな伝承か
明治三十七、八年の戦役のさなか、宮内省に奉職していた田中光顕が伝えた話である。バルチック艦隊が極東へ向かったという噂が流れ、海軍の勝利を信じながらも一抹の不安が拭えなかったころ、昭憲皇太后の枕元に坂本龍馬が現れた。龍馬は名を名乗り、此度の海戦は少しも案じるに及ばず必ず皇国の勝利です、微力ながら海軍を守護しますと申し上げたという。目覚めると姿はなかった。皇太后は皇后宮大夫の香川敬三にこれを語った。田中が龍馬の写真を複写して献じると、皇太后は一目で龍馬だと言い当てられた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊研究と新宗教(森作太郎(逸齋)・昭和2年(1927年))
昭和2年(1927)刊、森作太郎(逸齋)著、心霊科学研究会発行。全12章の論説書で、スペングラー『西欧の没落』を引いて現代社会相と物質文明の弊害を批判し、精神文明・宗教の必要を説いた上で、欧米の心霊研究(スピリチュアリズム)の成果を根拠に霊魂不滅・死後の生存を論証し、最終的に死後の生存を基礎とし神道を母体とする「日本新宗教」の建立を提唱する。