身も凍る地獄のトーナメントトレイル
どんな伝承か
バスフィッシングのトーナメント参戦中、私は原因不明のトラブルに見舞われ続けた。清めの塩の容器が割れ、新品のお守りの紐が結び目でないところから切れた。車は燃料ポンプが故障し、牽引していたトレーラーは板バネが折れて片輪が宙に浮いた。霊能者に相談すると、河口湖で白い人影を見て熱を出した際に連れてきてしまった自殺者の霊と、河口湖の竜神様、そして自分の守護霊の仕業だと告げられた。危険な水辺のフィールドへ向かう私を守護霊が止めようとして、あえてトラブルを起こし警告していたのだという。以後、新しいフィールドで釣りをする前は必ず神社に参ることにしている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
水辺の怪談 ベスト(つり人社・2000年代~2010年代推定)
つり人社が編んだ釣り人の実話水辺怪談アンソロジー。瀬戸内や伊豆大島でのお盆の夜釣りの金縛り、自殺の名所の橋や三段壁で『釣れますか』と声をかけ足音なく消える白装束の女、小笠原父島の原生林に残る日本軍兵士の気配、河口湖のススキ林で消える話し相手、利根川支流で水中から船を掴む男、トーナメント中の憑依と機器故障の連鎖、藻に引き込まれる滝壺など、水辺で釣り人が遭遇した怪異を集める。