卍を額につけた白衣の女の手招き
どんな伝承か
昭和五十五年二月、七歳だった長男が一酸化炭素中毒を起こし、千駄木の日本医科大学附属病院へ入院して、三日のあいだ意識が戻らなかった。意識が戻ってから子供が語ったところでは、額に卍の印をつけ、白い着物を着た女の人が、しきりにおいでおいでと手招きをしていたという。けれども眠くて眠くてたまらず、その女の人のところへは行かなかったのだと話した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。