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寺田氏幽霊の事

所在地山口県岩国市
年代江戸期
登場寺田何某と後妻、亡妻の幽霊
出典岩邑怪談録

どんな伝承か

岩国の寺田何某の妻は死後、毎夜幽霊となって家に現れた。落ち着いた性分の後妻が「この家に来るのを恨んでいるのか」と尋ねると、幽霊は「そうではない、どうか三部経を読誦してほしい」と告げた。寺で勤行させると、その後嬉しげな声で「今こそ仏果を得た」と虚空に響いたが、本当かどうかは定かでないという。

原典より

寺田何某妻、死して其幽霊、毎夜来りける故、後妻、落着たる者にて出給ふや、「わもじ此家に来るを恨み給ふや。—— 岩邑怪談録(広瀬喜尚(編:藤田葆/増補:今田純一/付録:静間密)・天保年間成立・明治期増補(原本明治四十三年成稿)/昭和51年(1976)岩国徴古館刊) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

岩邑怪談録(広瀬喜尚(編:藤田葆/増補:今田純一/付録:静間密)・天保年間成立・明治期増補(原本明治四十三年成稿)/昭和51年(1976)岩国徴古館刊)

岩国藩士・広瀬喜尚(仁兵衛、天保頃の博識家)がまとめた郷土怪談集を核に、明治期に今田純一(散木園主人)が二十余条を増補(追加)し、さらに藤田葆が古老聞き取りの『続怪談録』・歴史的瑞兆を集めた『実事談』・幼童の変死記録を集めた『変死部』を継ぎ、巻末に静間密の怪火・投石怪五話を付録とした、岩国・錦見・横山周辺を舞台とする総合怪異録。

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