追いかけてくる遠山の化け石
どんな伝承か
岩手県紫波郡赤沢村の大字遠山、小田ノ沢の山中に化け石があった。差し渡し六尺四方もある大きな山石だったそうだ。ある夜、杣人の西野某が通りかかると、石はごろんごろんと転がって追いかけてきた。別の杣人が通ったときには、石がごうごうと風のような音を立てたので、持っていた斧でいきなり斬りつけた。翌朝見にいくと、切り口から血が流れていたそうで、それきり石は化けなくなった。数年後、山の持ち主の本間という家が炭を焼くのにこの石を砕いて竈を築くと、竈は熱い熱いとうめき、家の者も熱病にかかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集