親の悪事を子が口走る話
どんな伝承か
阿波の清五は、よその村では御降りがあり「ええじゃないか」と踊り騒いでいるのに、自分の在所には一向にそれが起きないと不機嫌に米を搗いていた。すると屋根から蛭子と大黒の御降りが落ちてきて、清五は驚喜し在所中を踊り回った。人々は気が違ったと思い神官を呼んで祓わせると、清五の体が震えだし「清五の親の倉藏だ」と名乗って、皆の米を盗んだ悪事を涙ながらに詫びたという。
原典より
清五は不機嫌さらに米を踏んでゐた。—— 阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・昭和(対象は幕末)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・昭和(対象は幕末))
概観篇では御降り(御札降り)に関する騒擾、伊勢神宮への御蔭参り・抜参りを慶安・宝永・明和・文政・慶應と時代別にたどり、慶應のええじゃないか、阿波のええじゃないかへと展開。幕末阿波(徳島)の御札降り・群集乱舞・世直し的民衆運動を、各事例の冒頭に【日付】【場所】【人物】【状況】マーカー付きで網羅した民俗・世相史。