大正一四載頃のことです
どんな伝承か
大正一四年頃のこと。福知山にもラジオはまだ二台ほどしかなく、近所の人たちは皆珍しがって聞きに行った。安じいさん、熊じいさんという当時七〇歳ぐらいの老人も、小原田から河守までわざわざ聞きに行った。時間がきて音楽やニュースのようなものが流れたが、あれは放送局から放送しているのだといくら説明しても、老人たちは少しも信用せず、機械だけ据え付けておいて蓄音機を鳴らしているのだと言って聞かなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。