白ムジナが見せた大男と女の幻
どんな伝承か
東京都西多摩郡(現・檜原村)の話。翁がまだ小学校五、六年の頃、七、八人の友だちと近くの山へ薪拾いに行った。夕暮れ近く、木を切る音がして振り向くと、薪を背負った見知らぬ大男が一心に斧を振るっていた。子供たちが大声で呼んでも答えず、足を早めて杉山のところでふっと姿を消した。同じ頃、学校の裏山の畑で見知らぬ女が肥桶を担いでいるのを見たが、これも桶ごとふっと消えてしまった。一月ほどして里の猟師が大きな白ムジナを撃ち、それ以来この幻は現れなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代)
松谷みよ子『現代民話考 11 狸・むじな』を小話単位で全376話収録。狸・むじなにまつわる現代の民話・怪異譚(化かし・化け)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明372話・市区町村判明317話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。