この辺じゃこんな寒いとこだから、明治初期まで蚕を飼う
どんな伝承か
長野県南佐久郡川上村のこのあたりは寒い土地柄で、明治の初め頃までは蚕を飼うための桑を山梨県まで買いに行っていた。馬に荷を二段ほど積んで平沢峠を通ってくると、決まって山犬が後をつけてきたという。だが、荷をひく本人が転んだりぶつかったりしなければ山犬は人に危害を加えないと聞き知っていたので、皆だまって馬をひき、テコテコと歩いてきたそうだ。すると山犬はすたすたと後をついてきたが、襲いかかることはなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。