郡上郡の炭焼きの男が、山の講で休む日に山へ向かった
どんな伝承か
岐阜県郡上郡で、炭焼きたちがみな「今日は山の講だ」といってお神酒を上げて祝い休んでいた日、一人が「そんなことに構っていられない」と山へ出かけた。すると上の方から「そこへ来たのは何者じゃ」と呼ぶ声がし、あおむいてみると一丈五尺もある一つ目玉の怪物が立っていた。「お前こそ何者じゃ」と問うと「おれは七分神よ」と答え、今度は空の方から「下から来るのは何者じゃ」と声がして「おれは八分神よ」と答えると、七分神の方が一分負けて消えてしまったという。これは天狗が負けた話だと語り伝えられている(話者・武藤二郎)。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。