藤之川から中半へ来た古城千吉は、子沢山じゃった
どんな伝承か
藤之川から中半へ来た古城千吉は子沢山であった。昭和の初年頃にまた子が生まれて笑いあっていたところ、その子は普通の子と違って甚だしい奇形であった。頭がくぼみ、頭から胴も妙で、手の長いことは格別で、たいへんな難産だった。ただ事ではないというので、他所から弓打祈禱師を雇って占ってもらうと、猿猴が出てきて「この子はわしの子じゃ、人間は馬鹿もんじゃ」と嘲ったという。その子はやがて死に、猿猴の子を買いに来る者もあって商談が整いかけたが、藤之川の親戚筋が見世物にされるのを恥として止め、御祈禱をして葬ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。