水を呑み雨を呼んだ城山の大蛇
どんな伝承か
千葉県東庄町小南の城山には、姿を自在に変える大蛇が棲んでいたという。ふだんは寺の奥の院にある鉄牛禅師の墓石にとぐろを巻き、高いびきをかいて眠っていたが、干潟八万石が大水害に見舞われるとその水を一気に呑み干し、日照りが続けば寺の裏手の大松に登って雲を呼び、雨を降らせて田畑を潤したという。おかげでこの一帯には農作物を食い荒らす野ねずみも一匹もいなかったと伝えられる。福聚寺の東北にある塚は弁天様と呼ばれ、大蛇を祀った場所として雨乞いの祈願が行われてきたという。
原典より
ふだんは、寺の奥の院の静まった鉄牛禅師の墓石にとぐろを巻き、高いびきをかいてねていた。—— 東庄町史 下巻(東庄町) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東庄町史 下巻(東庄町)
『東庄町史 下巻』は、下総の香取郡東庄にあたる千葉県東庄町の町史下巻のうち、「民話・伝説」の項である。須賀山の地名伝説、高部と羽計の狐の祝言、城山の大蛇、花香稲荷縁起、黒部川と児塚の由来、干潟十八ヶ村の名付け、姥捨ての定命窪など十五の項を収め、小南の七不思議や東庄七井の一覧も含む。半数あまりの項に伝承地の区名を添え、『かぎろひ』記念特集号や『県民の森の歌』、「上代郷明細記」「東荘志」、旧家文書などの出典を記す。