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大雪の道を導いて死んだ狐と花香稲荷

所在地千葉県香取郡東庄町神田(宇賀神社)
年代永正七年(一五一〇)
登場花香源之進勝乗、北條氏綱、勝重、上代掃部助、里見義弘、勝乗の主君、勝乗の子・家督を継ぐ、勝乗の旧知・合戦に誘う、房州から攻め寄せた相手
出典東庄町史 下巻

どんな伝承か

上代郷明細記が伝える花香稲荷の由来である。北條氏綱の家臣花香源之進勝乗は、乱世が近いと見て隠れ住むことを願い、家督を子の勝重に譲って、旧知の上代掃部助を頼り下総へ向かった。永正七年の冬、大雪で方角を失い立ち尽くした勝乗が神々の名を唱えて祈ると、どこからか一匹の狐が現れて歩き出した。後を追うと上代神田の小さな家に行き着き、宿を借りて夕飯を狐にも分けた。ところが翌朝、狐は死んでいた。勝乗は屋敷の高みに狐を葬って松を一本植え、稲荷を勧請して花香稲荷大明神と祀った。その後も近くに住んだ勝乗は、掃部助に誘われて夏ヶ田台の合戦に加わったという。

原典より

勝乗、ふと思い付き此の狐に随ひ行かんと跡を志たい行く程に、名にあう上代神田といへる所え、狐走りつき佇み居たり。—— 東庄町史 下巻(東庄町) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

東庄町史 下巻(東庄町)

『東庄町史 下巻』は、下総の香取郡東庄にあたる千葉県東庄町の町史下巻のうち、「民話・伝説」の項である。須賀山の地名伝説、高部と羽計の狐の祝言、城山の大蛇、花香稲荷縁起、黒部川と児塚の由来、干潟十八ヶ村の名付け、姥捨ての定命窪など十五の項を収め、小南の七不思議や東庄七井の一覧も含む。半数あまりの項に伝承地の区名を添え、『かぎろひ』記念特集号や『県民の森の歌』、「上代郷明細記」「東荘志」、旧家文書などの出典を記す。

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