物部村の白手ぬぐいと死穢
どんな伝承か
著者が直接観察した高知県香美郡物部村の葬送儀礼では、野辺送りのときに会葬者全員へ白い手ぬぐいが配られる。現在は肩にかけるだけだが、以前は頭にかぶったという。葬式に参列した者は死者の生む穢れを負っており、そのまま太陽の下を歩けないからである。死の穢れに日射しが直接触れると太陽が穢れ、天から毒が降って作物を枯らすとされた。白手ぬぐいをかぶることは、日射しから儀礼的に隔離されて見えない状態になることを示す。村人は死穢に感染した状態をブクがかかっているといい、白手ぬぐいはその印でもあるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
異界巡礼(小松和彦・1990年代~2000年代推定)