越後梅木平・大所の木地屋土着
どんな伝承か
越後は東蒲原の奥にも木地屋がいたというのは空想ではない。馬取川上流の木地小屋・梅木平などには、安永九年に会津の方から移って来たという者が、近い頃まで働いていた。越中境に接しては西頸城郡小滝村大字大所があり、これも一箇の土着の例で、今では木地の製造だけでなく自ら塗物の業をも営んでいる。いつの頃のことか領主から三百余町の山を預けられ、伐採の跡地を開拓して農作をも兼ね行うようになったが、なお自ら親王の遺民と称していると、田中氏の書には記してあると柳田は述べる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。