流人を分けた書き判の階級
どんな伝承か
八丈の島役人は流人の扱いに一つの工夫をこらしていた。流人には武士あがりと無宿の博徒とがはっきり二種類あるのに、待遇を分けようとすると基準が立てにくい。そこで文政の初めごろから、一人ひとりに書き判をさせることにした。花押を持つほどの者ならまず教養があると見てよく、その者たちを寛大に遇しておけば、残りを厳しく監視しても不平が出ずに済む。わずかな差ではあるが当人の慰めにもなり、身持ちを慎ませる効き目もあったらしい。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。