八丈島樫立の産屋に籠る産婦
どんな伝承か
産家は人家を離れた場所に造られるのが古い習慣であり、その理由が産の不浄にあることはいうまでもない。産婦が産屋に籠る期間は土地によって異なるが、八丈島の樫立では、産後二一日間から七五日間くらいの間、そこに居るといわれている。産屋の呼び名も土地ごとにさまざまで、讃岐の伊吹島ではデベヤ、出雲神門郡ではタヤ、福井県松原村常宮ではベツヤ、紀州熊野ではカリヤ、越中の入善付近から東国一般ではスと呼ばれていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・平山敏治郎・堀一郎ほか・日本民俗学大系・昭和(民俗学))
『日本民俗学大系 第8巻 信仰と民俗』。原田敏明・池上廣正・平山敏治郎・堀一郎らによる十論考からなる日本民間信仰の総合的研究。原田敏明「総説」は信仰と民俗、宗教の起原(スペンサーらの学説・アニミズム)、村の信仰と都会の宗教、シャマニズムを論じる。池上廣正「霊と神の種類とあらわれ方」は神の種類(名社大社の祭る神・雑神)、神のあらわれ方、霊の種類(人霊・自然霊)・霊威、農と神・田植えの儀礼を扱う。