山に潜って年貢を下げさせた村
どんな伝承か
元禄年間のこと、この村の領主が課す年貢はひどく重く、村人はいくら働いても暮らしが立たなかった。ある年の秋、また納入の時期が来ると、村人たちは米をそっくり運び出し、村はずれのウツギサクという山へ逃げ込んだ。大きな穴を掘り、上に木の葉をかぶせてじっと潜んでいたのである。年貢を取りに来た役人は人も米も見あたらないのに驚き、江戸の殿様へ報せた。殿様はやむなく年貢を下げたという。今も東関東自動車道沿いのウツギサクには、その跡だという堀が残る。
原典より
江戸時代の元禄年間(一六八八〜一七〇四)のこと、白作の領主の年貢はとても高かったという。—— 大栄町史 民俗編(大栄町) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大栄町史 民俗編(大栄町)
『大栄町史 民俗編』は大栄町の町史の民俗編で、ここに収められているのは第六章「ことばと生活」第一節「伝説」の部分だけである。北総台地にある町内の地区ごとに、源頼朝の鞍掛けの松、城主大須賀氏・伊能氏の話、弁天様と道祖神、狐・狸・河童・大蛇の話、作男や長者の話、古墳の埋蔵金の話などを伝える。伝説は歴史・神仏・動物・人物に関する伝説と「トーカとムジナの話」の五項に分けられ、末項では狐に化かされた体験とムジナの火の話を「〇」の箇条で並べる。