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羽室川原に現れた白い帷子の女

所在地栃木県佐野市戸奈良町羽室川原
年代天正十三年(1585)元日
登場佐野宗綱、出陣した唐沢山城主
出典田沼町史 第1巻

どんな伝承か

天正十三年の元日、唐沢山城主佐野宗綱が足利攻めに出陣した際の言い伝えの一つである。別の説によれば、一行が戸奈良の羽室川原に差しかかったとき、右手の森から白い帷子をまとった若く美しい女が現れ、馬の前で何か言いたげなそぶりを見せた。女はそのまま列の後ろへ回り、ふっと掻き消えてしまった。供の侍たちは、神のお告げに違いない、凶事が起きなければよいがと内心案じたものの、主君に申し出る者は一人もいなかった。この女は羽室の稲荷神社の神霊だったといわれる。宗綱はこの日、下彦間の大坂を上る途中で敵の弾を胸に受け、討死した。

原典より

二、また、一説には、戸奈良羽室川原までくると、右手の森の中から白いかたびらを着た妙齢の婦人が、馬の前に現れて、何事か語りたげな様子であったが、そのまま後の方へ行き、かき消すように見えなくなってしまった。—— 田沼町史 第1巻(田沼町) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

田沼町史 第1巻(田沼町)

『田沼町史 第1巻』は、田沼町が編んだ町史の一巻のうち、伝説の節の大半とことわざの節の冒頭を収めたものである。蛙鳴かずの池や京路戸山の大蛇などの怪異の話、唐沢山城の佐野氏や藤原秀郷、足利忠綱にまつわる話、義民の山神や源十郎石祠、根本山神社などの寺社縁起を、町内の各地に即して記す。伝説は英雄偉人・義民・地名・落人・寺社縁起などの項に分け、ことわざの節は五十音順に並べるが、いの項の途中で切れている。

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