縁結びを聞き届ける平内様の石像
どんな伝承か
浅草寺の仁王門を入って右手に、九尺二間の平内堂(久米社)がある。堂いっぱいに胡座をかき、拳を固めて肘を張った石像が平内様で、その姿は仁王座禅を象ったものだという。もとは石見津和野の亀井家の家臣で、剛力かつ剣に長けた平内兵衛が、浪人ののち自ら仁王座禅の像を石工に刻ませたと浅草寺志は記す。女の難を幾度も救った人柄からか、石像となっても縁談や恋の仲立ちを引き受け、賽銭は年に二千円近くにのぼった。願いは紙に書いて堂へ納め、堂守から一通を受けて験の有無を判じる習わしだったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
江戸傳説(佐藤隆三)
佐藤隆三編『江戸傳説』を全42話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。