三番叟人形の怪
どんな伝承か
北設楽郡武節村の小田木部落は昔から人形芝居が盛んで、今でも村祭には素朴な芝居が見られる。むかし、祭が近づいて人形の稽古にかかった。ところが三番叟人形を受け持った男が、竹をさし着物をつけて一通り使い終えたあと、竹を抜こうとしてもどうしても抜けない。そういえば自分は喪中だった、そのせいだろうと、身を清めて祈ってから抜こうとしたが、やはり抜けなかった。これを聞いた村の人たちは、この人形には魂があるのだ、大切にしなくてはいけないと言って人形を祀り、村祭のたびに揃って参るようになった。ある年、参るのをうっかり忘れたところ、幾日も大雨が続いて村中困り果てたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
愛知県伝説集(福田祥男・昭和三十六年(1961)刊)
尾張・三河(愛知県)に伝わる伝説を山/海/水/給水・雨乞/地蔵・観音/石・岩/城跡・屋敷跡/塚・墓/地名/動物・変化/植物/祟り・怨霊/山人・巨人/社寺/その他の15章に分類して集成する。尾張富士の背くらべ、女人禁制の山、河童・狐狸の変化、雨乞いの淵、戦死者の塚や落人伝説、社寺の縁起や地名の由来など、愛知の地に根ざした怪異・霊験・由来譚を地名つきで網羅する。