死してなお敵を退けた鉄の親方
どんな伝承か
本土から千の軍勢が沖縄へ攻め寄せたとき、体が金属でできたチョウフグン親方がこれを皆殺しにした。困った敵方は理容師を金で買収し、唯一金属でない喉を突かせる。親方は絶命する間際、その理容師の足首をつかんで体を二つに裂き、片方を東の海へ、片方を西の海へ投げ捨てて死んだ。親方が死んだと聞いた本土勢は再び千人で攻め寄せたが、首里城では遺体を墓から出させ、那覇の港へ向けて立たせた。敵は口に蛆の湧く様を遠目に見て、餅菓子のハチャグミを食べていると思い込み、恐れをなして皆自害したという。親方の体が金属になったのは、母が身ごもる前にヌブシの玉を飲み込んだからだと語られる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。