儀部鉄人
どんな伝承か
昔、金武の並里に儀部という家があった。この家の嫁が妊娠し、丈夫な子を生みたいと思って腹の大きい頃から鉄屑を食べていた。それで生まれた子は体の半分が鉄でできており、鼻や耳、口や目だけが人並みであった。その子は成長するにつれて強くなり、あちこちの戦に出ては負かしてばかりで、敵が刀で刺そうとすると刀の方が折れた。金武の村で一番の強者と崇められ、首里の王に召し抱えられ、今帰仁や中城との戦にも勝った。薩摩が船で攻めてきたとき、鉄人は港で待ち受け、鉄砲に撃たれても初めは何ともなかったが、ついに弾が口に当たり、頭から血をだらだらと流して死んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。