闘牛に勝って千坪を得た旅人
どんな伝承か
山原へ向かう旅人が野原で子牛に出会うと、子牛が水を飲ませてくれと口をきいた。綱を外して水をやると、飼い主のもとで牛が物を言ったと告げ、金を添えてもらい受けよと知恵をつける。こうして手に入れた子牛はよく働き、たくましく育った。やがて牛は、闘牛で負ければ一生使われ、勝てば番所前の千坪をよこせと賭けよと勧める。強い相手の牛に、恩人に手向かうのかと言うと逃げ去り、賭けは成った。牛は、あなたは自分の家の下男でよく働いたからこの土地を得た、自分は金持ちの長男で、相手の牛も遊び歩いた下男だったと明かし、近く悪疫が流行るから自分を殺し人々に肉を食わせ、骨を左縄に下げよと教えた。これがカンカーの始まりだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。