観音をいぶした報いを受けた千亀女
どんな伝承か
志布志の向川原に藤兵衛夫婦が暮らしていた。子に恵まれず宝満寺の子宝観音に願をかけると、まもなく女の子を授かる。千亀と名づけられた娘は育つほどに美しくなり、夫婦は日本一だと自慢した。やがて観音様と千亀女のどちらが美しいかと取り沙汰されるようになり、夫婦はある夜、青松葉の煙で観音様の顔をいぶした。翌朝寺へ行ってみると、真っ黒になっているはずの観音様はかえって以前より輝いており、家では顔の半分がやけどで黒ずみ、片足が太くなった千亀が泣いていた。娘は足を隠すため裾の長い着物で歩くようになり、その姿を詠んだ唄が流行ったという。夫婦は娘を元に戻そうと諸国を巡り歩いたが、願いはかなわなかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。