雷の泉
どんな伝承か
支那の名僧南渓和尚は応永年間にこの地へ来て一寺を開き、解脱閣寺と名づけた。寺は放光山の中腹にあり、水利の便が少なかった。ある夏の日、和尚が裏庭で涼んでいると一天にわかに曇り、雷が一大火玉となって転がっていた。和尚は杖で雷を押さえ、再び天へ上る代わりに井戸を掘ることを約束させた。雷が言われるままに井戸を穿つと清水がたちまち湧き出た。和尚が喜んで傍らの岩上に杖を立てると、雷はこれを伝って天に上ることができた。杖はそのまま岩上に根を出し、今なお枝葉を生じて成長しているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。