さつき姫
どんな伝承か
富士川を川船で下っていくと、南巨摩の福士のあたりから、川中の岩に小さな深紅の花をつけた五月の木が見える。花の頃に船から眺めると、いかにも美しい。この木は福士より上流の岩には生えず、下流の岩にばかり生えている。土地の者がいうには、昔、福士の地に五月姫という貴い女が身を投げて死んだ。その時からこの木が福士の岩に生えるようになったのだ、と。福士の上流の岩間に生えないのは、姫の霊によるのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第5巻』所収の「文化叙事伝説」全104話(千葉・山梨・神奈川・埼玉・東京=関東甲信)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。