七人塚
どんな伝承か
東牟婁郡本宮町の平治川は本宮でも草深い所で、平氏が住むのによい土地であった。この平治川の小字に堂地という所があり、手の平を立てた形の断崖であった。その下に屋敷があった。堂地は断崖で山が高いため水がなく、人々は平治川へ水を汲みに行った。ところが水を汲みに行った者が帰らず、次に行った者も帰らず、七人まで帰らなかった。八人目の人が行くと、敵が滝の空洞の中に隠れているのを見つけた。この滝を七人淵という。七人の死骸は皆晴れやかな所に葬った。今の久保峠の近くに塚がある。当時の人はこれを源氏に知られてはいけないのでわざと祀らず、小さな川原の石を七個ところどころに置いた。これが七人塚である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第9巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全100話(奈良・大阪・和歌山・三重=近畿南部/紀伊)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。