蟻が糸を通した玉と蟻通しの宮
どんな伝承か
桜井市穴師から少し登ったところに、蟻通しの宮という祠がある。昔、中国から知恵試しの玉が持ちこまれた。曲がりくねった孔の通った玉で、これに紐を通せという難題であった。天皇が臣下に諮っても答えられる者はなく、ただ一人が解いてみせた。孔の片方の口に砂糖を置き、もう一方から、足に細い糸を結んだ蟻を入れると、蟻は砂糖の匂いに誘われて孔を進み、ついに糸を引いて反対の口から出てきたのである。その功により祀られたのがこの宮で、穴師の地名もここから起こったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第9巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全100話(奈良・大阪・和歌山・三重=近畿南部/紀伊)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。