摺針峠
どんな伝承か
昔、八ツ山(八ッ淵の滝)の頂上へ若い修験者が修行に来たが、つらくて三日目に山を下りてきた。鹿ヶ瀬の小白ヶ谷まで来ると、ヨキを磨いでいる老婆に出合った。何をするのかと聞くと、老婆は縫い針にするのだと答えた。そんな馬鹿なと思った修験者が、千年も万年もかかるからやめておくようにと言うと、老婆は命のある限り磨き続けると言った。それを聞いた修験者は自分が修験者であることを思い出し、三日坊主でどうするという老婆の言葉に心を入れかえて山へ戻っていった。今でも老婆がヨキを磨いていた所を「ヨキ磨ぎ」と呼んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。