狼薬
どんな伝承か
甲山の裏側、久美浜湾沿いに神崎部落があり、大家とよばれる家が血の道によく効く家伝の薬を売っていた。何代か前の主人の時分、犬のような四つ足が家の縁の下へ入ったと村の噂になり、主人が物干竿を突っ込んで探したが何も出てこなかった。翌朝、老婆が顔を出して、自分は人間ではなく狼で、眷属が長く縁の下に住まわせてもらったが村の衆に知れたからには出て行かねばならないと言い、礼に薬草五種と配合の割合を教えた。作った薬は血の道によく効き、狼に教わった薬というので狼薬とよばれた。
原典より
甲山の裏側、久美浜湾沿いに神崎部落がある。—— 日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。