仁田四郎の最期
どんな伝承か
本文によれば徳山村植原の話である。植原の中央にある白山神社の一角に、「仁田四郎由定鳥山神社」と刻まれた石碑と小さな社がある。戦いに敗れた仁田由定は、本郷からこの村へ入る端にあったタエモンという家にたどり着き、おかみさんの介抱で元気になってからもこの地に住んだ。天皇方の武将であった由定が大金七袋半を持つと知った村人が襲って奪おうと相談する。それを知らせたおかみさんは逃がそうとしたが、由定は武士の面目にかけてと言って村一番の高い杉に登り、人が集まるのを見計らって「お金が欲しかったら」と繰り返しながら大金を落とし、自らも刀を口にくわえて飛び降りて死んだ。落ちた金は三寸ほどの大きな蚕となって道を這って行った。以後、亡霊が出、病が続出し、風に叫び声が乗る日には大火事となって村が全焼したが、タエモンの家だけは焼けなかった。神社を建てて大供養を行うと祟りはやんだという。
原典より
徳山村植原の中央に設けられている白山神社の一角に、「仁田四郎由定鳥山神社」と刻まれた石碑と小さい神社がある。—— 日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。