八百比丘尼
どんな伝承か
佐渡の羽茂町の大石で、村の衆が庚申待の講をしていると、見知らぬ若者がひょっこり顔を出した。宿の主は快く上げて神酒を飲ませ、若者は喜んで、次の講の日に浜で待っていれば舟で迎えに来ると言い残した。約束の日、浜へ出た主は舟に乗せられ、目隠しをされているうちに竜宮城そっくりの御殿に着いていた。馳走を前に厠へ立つ途中、勝手場を横目で見ると、腰から下が魚の恰好をした女の子がまな板に載せられていた。気味が悪くなって箸をつけずに帰ると、土産にその魚を包んでもらう。棚に置いた包みを娘が知らずに食べ、以来いくら年をとっても皺ひとつ出来ず、八十歳で比丘尼となって諸国を行脚し、若狭に住んで八百歳で往生したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。