蟬谷のビールとバター笑話
どんな伝承か
蟬谷は街道筋から遠く離れた在所であるため、出原あたりの人たちが面白半分に語る笑話がさまざま伝わっている。蟬谷の人はビールというものを知らず、戦争中それが配給になったので燗をして飲んだという。またバターが配給になったところ、石鹸と間違えて洗濯に使ったが、ちっとも汚れが落ちなかったという。もとより蟬谷の人自身の与り知らぬ話で、新しい型の笑話が生れつつある例である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
阿波木頭民俗誌――伝説・妖怪(民俗誌)
『阿波木頭民俗誌』第八章所収の伝説・妖怪。徳島県那賀郡の山深い木頭地方に伝わる口承を採録する。