三つに分けて焚くヒトボンの火
どんな伝承か
徳島県那賀郡木頭村の中内では、盆の十四日に庵でヒトボンという火を焚いた。燃料のホデを三か所に分けて置き、一つは新しい仏のため、一つは斎藤別当実盛のため、残る一つは家々の先祖のためとされる。実盛に手向ける火は田畑の害虫を防ぐためのものといわれ、供養する者のない霊を慰める行事の一種とみてよいが、そこに新仏と先祖への供養が重ねて行われている点に特色がある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。