提灯をつけた狐の列に魚を取られる
どんな伝承か
遊馬町に伝わる話。尻尾の長い狐が、二十匹も三十匹も提灯をつけて、ぞろぞろと列をなして歩いていくのを見た人がいた。その珍しい眺めに見入っているあいだに、手に提げていた魚をそっくり取られてしまったのだという。このあたりでは、夜に狐が連れ立って通ると提灯の灯が並んで見えるといい、それを狐の嫁入りとも狐の嫁取りとも呼んできた。魚を持って夜道を行く者が狙われるという言い方も、あわせて残っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史)
『草加市史 民俗編――伝説』は、草加市史民俗編のうち「二 伝説」の章である。地名起源・塚・神々・地蔵・薬師・観音・その他の神仏・旅の僧・動物と妖怪の九節で、柿木や青柳の地名の由来、毛長神社の御神体、疣地蔵や火あぶり地蔵、雨乞いの龍、むじな大尽などを、『新編武蔵風土記稿』や縁起碑、土地の伝えによって記す。第十節「世間話」は狐・むじな・狸・雷獣の聞き書きを集め、話ごとに町名と話者の頭文字・生年を添える。