煙草で狐を離した北谷町帰りの大工
どんな伝承か
ある家に出入りしていた大工が狐にだまされたという話。その大工が北谷町の仕事を終えて帰る途中のことである。日が暮れて先を急いでいたのに、いくら歩いても同じところをぐるぐる回っているのに気がついた。これは狐にだまされたなと思った大工は、こういうときは気持ちを落ち着けるのが何よりだと聞いていたので、その場に腰を下ろして煙草に火をつけた。ゆっくり一服しているうちに狐は離れていったらしく、帰る方角がはっきり分かるようになって、無事に家までたどり着くことができたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史)
『草加市史 民俗編――伝説』は、草加市史民俗編のうち「二 伝説」の章である。地名起源・塚・神々・地蔵・薬師・観音・その他の神仏・旅の僧・動物と妖怪の九節で、柿木や青柳の地名の由来、毛長神社の御神体、疣地蔵や火あぶり地蔵、雨乞いの龍、むじな大尽などを、『新編武蔵風土記稿』や縁起碑、土地の伝えによって記す。第十節「世間話」は狐・むじな・狸・雷獣の聞き書きを集め、話ごとに町名と話者の頭文字・生年を添える。