娘が消えイモリが湧いた見沼
どんな伝承か
見沼のほとりに、身よりのない美しい娘が暮らしていた。まるで沼そのものが産んだような娘だったという。沼を隔てて争う二つの豪族の跡取りが、そろってこの娘に心を寄せ、やがて一方が娘を得た。破れたもう一方は夜のうちに娘をさらい、大きな箱へ押し込めて沼へ沈めてしまう。翌日その箱を引き上げて蓋を開けると、中に娘はおらず、代わりに数え切れぬほどのイモリが這い出してきた。若者はその場で気を失った。村の者たちは、あの娘はやはり見沼の竜神の子だったのだと語り合ったと伝わる。
原典より
その昔、見沼のほとりに美しい娘がいた。—— 浦和市史 民俗編――伝説(浦和市(編)・浦和市史・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
浦和市史 民俗編――伝説(浦和市(編)・浦和市史・自治体史(民俗))
『浦和市史 民俗編』第十章所収の伝説。埼玉県浦和市(現さいたま市)に伝わる口承を採録する。