いえの山の稲荷が火事を知らせる
どんな伝承か
中田の東の端、畔屋との境に稲荷さんと呼ぶ山があり、そこに小さな社が建つ。いえの山の稲荷さんといい、子供好きで子供を守ってくれると信じられていた。粗相があってはならぬと社に戸を立てたところ、風邪をひいたり怪我をしたりする子が続いたので、あわてて戸を外したという。火事や変事が起きるとクワイクワイと鳴いて急を知らせるともいう。ある朝、囲炉裏の縁から板の間、土台まで焼けていたが、新しい桶のたがが切れて水が流れ出たおかげで大事に至らなかった。稲荷が鳴いて火を消したのだろうと村人は油揚げを供えた。風当ての脇の提灯がみな焼けてもカヤに燃え移らなかった晩も、稲荷は激しく鳴いていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史・自治体史(民俗))
新潟県柏崎市の信仰と俗信を網羅する。