安田鳥越稲荷堂と渡し守の疫病除け
どんな伝承か
安田鳥越の稲荷堂を信心すると疫病にかからないという話が残る。昔、ここから北条へ出るには鯖石川を舟で渡るほかなく、夜や雪の日は割増の渡し賃を取った。妙ななりの若者が日に四、五度も乗るのに、口もきかず割増も払わない。渡し守たちは怪しみつつ快く渡していた。ある雨の夜、後を追うと追分の観音堂のあたりで姿が消え、ギーッと音がした。愛宕山へ通う男装の者がいる、稲荷かもしれぬから粗末にするなと年長者は言う。数年後、鳥越に傷寒が流行って多くが倒れたが、渡し守だけは病まなかった。社で眠り込んだ老人に、守るのは渡し賃を取らずにいてくれた礼だ、疫病もじきに収まると告げがあり、そのとおりになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史・自治体史(民俗))
新潟県柏崎市の信仰と俗信を網羅する。