水府村湯草の出棺時の水汲み呼び
どんな伝承か
昭和五十六年の夏、学生たちと共に茨城県久慈郡水府村の奥地・高倉地区を民俗調査で訪れた際、一番北にある上高倉の湯草部落で、出棺の際に見られる珍しい葬送習俗に出会った。これから棺を出そうという時、井戸のそばにいる人の名前を大声で呼ぶと、その人が「はい」と返事をするというもので、水汲みに行く者が「水汲み」と呼ばれるとすぐに水を持ってくるのだという。平常の時にはこの水汲みという呼び方をしてはならないとされている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。